外科について

外科と一口に言いましても、その範囲は実に幅広いものです。当医院では、日常生活でよく起きやすいとされる、すり傷や切り傷、やけどなどの外傷の手当(治療)、イボや粉瘤など気になる皮膚のできものの切除、巻き爪(陥入爪)など、よくあるとされる外科的処置を中心に行っていきます。このほか、当医院のお近くにお住まい、あるいはご勤務されている方で、手術の後のケアをしてもらいたいと希望する方につきましても柔軟に対応いたしますのでお気軽にお問い合わせください。

外科のイメージ画像

以下のような症状があれば外科をご受診ください(例)

  • 激しく転んで擦りむき、傷口に砂や砂利が入った
  • 鋭利なもの(刃物 等)で指や肌を切った
  • トゲや錆びた釘が皮膚に刺さった
  • やけどを負ってしまった
  • おできに悩まされている
  • 足の爪が丸まっている、もしくは皮膚に食い込んでいる
  • タコを治したい
  • 足にできたウオノメが痛い
  • 手術後の体調があまり良くない など

外傷とは

いわゆる傷(キズ)のことになりますが、一口に傷と言いましても、擦過傷(すり傷)、切り傷、咬傷(ヒトや動物に噛まれたことによる傷)、刺し傷(針やトゲなどが刺さることでできる傷)、挫創(鈍的な外力が加わることで生じる開放性の傷)など様々あります。いずれにしても傷跡をできるだけ残さないためには初期治療が肝心とされています。当医院の院長は、日本外科学会が認定する外科専門医でもありますので、しっかり傷を確認した後に適

切り傷や挫創では、ケガの発生から6~8時間以内であれば縫合による処置で傷口を閉鎖していきます。なお出血が多量の場合は、圧迫止血、縫合閉鎖によって、出血を抑えていきます。それでも困難であれば、電気凝固装置(医療用)を用いて止血をしていきます。

擦り傷では、土や砂が傷口の奥に食い込むこともあります。その場合は、局所麻酔下にて丁寧に洗浄、ブラッシングをしていきます。その後は軟膏の塗布、あるいは湿潤療法(ドレッシング材で傷口を密閉し、滲出液を用いて自然治癒力で傷を綺麗に早く治していく治療法)等によって傷を治していきます。

また咬傷や刺し傷の場合は、病原体に感染して化膿する、破傷風を発症するなどのリスクも考えられるので、異物があれば取り除く、傷口は洗い流して、止血をするなどします。傷口は閉じないようにします。なお医師が必要と判断した場合は、抗生剤の点滴、ワクチン(破傷風トキソイド)接種を行うこともあります。さらに咬傷では、細菌感染によって傷を負って2週間後などに何らかの症状が顕著に表れるようになるので、しばらく通院するということもあります。

粉瘤とは

アテロームとも呼ばれるもので、皮下に発生する良性の腫瘍になります。この場合、袋状の構造物というのが皮下に作られるようになります。さらに、その中に角質や皮脂というのが皮膚から剥がれずに入り込んでいきます。これによって形成される腫瘍というのが粉瘤になります。

身体の至るところで発生する可能性はありますが、主に、顔、首、背中、耳の後ろの部分で起きやすいと言われています。サイズとしては、数㎜~数㎝程度の直径が多く、やや盛り上がった半球状の形をしていて、中心部に黒点状の開口部がみられるのも特徴です(指で強く押すなどすると、悪臭を放つドロドロした粥状の物質が出る)。痛みなどの自覚症状はありませんが、炎症を起こすと患部(粉瘤)に発赤や痛みがみられるようになります。

治療に関してですが、炎症がみられている場合は抗菌薬、膿が溜まっている場合は切開による排膿をしていきます。粉瘤は外科的治療によって取り除くことも可能です。この場合、局所麻酔下による日帰り手術となりますが、炎症がある場合は治療後に切除していきます。

うおのめ・たことは

うおのめ(鶏眼)もたこ(胼胝)も繰り返し引き起こされる物理的な刺激によって発生する非炎症性の角化症になります。どちらも足底に発生しやすいです(たこは手の指や拳、足の甲などにもできやすいです)。

両方とも繰り返しの刺激によって皮膚が肥厚化していきます。ただうおのめ場合は、真皮に向かって角質が肥厚化していくのですが、その中心部が魚の目や鶏の目に似ていることから、うおのめあるいは鶏眼と呼ばれるようになりました。なお中心部には芯があって食い込むように肥厚化していくので、うおのめの部分に体重がかかるなどすると強い痛み(圧痛)がみられます。一方のたこは表皮の方向に向かって肥厚化していくので痛みなどは出ません。ただ、たこの部分の感覚が鈍くなる、靴の中で異物感を覚えるということはあります。

治療に関してですが、まず繰り返しの刺激が起きる原因を特定し、それを回避できる環境を整えます(サイズのあった靴を履く、フットパッドを入れる など)。そのうえで、うおのめやたこを除去する治療を行っていきます。この場合、患部にスピール膏を貼って、軟らかくしてからうおのめやたこを取り除く、メスなどを使って角質層を除去するなどします。

巻き爪とは

巻き爪は、足の指の両端が内側に巻かれてしまっている状態を言います。また陥入爪は、爪の側縁が爪溝に食い込むなどして、慢性的な炎症がみられるほか、細菌感染することで爪の周りが腫れる(爪囲炎)、強い痛みが現れるなどします。

原因に関しては、靴による圧迫を受け続ける、深爪、激しいスポーツをすることで起きるとされていますが、爪白癬がきっかけになることもあります。巻き爪と陥入爪、どちらにしても足の親指の爪で発生することが多いです(他の足の指の爪や手の爪でみられることもあります)。

治療についてですが、深爪が原因であれば爪を切り過ぎないようにします。具体的には白い部分を1㎜程度残すなどのスクエアカットをします。またサイズの合っている靴を履くことも大切です。細菌感染が起きている場合は、抗菌薬の内服あるいは外用薬の塗布などしていきます。このほか保険診療で行える治療としては、陥入爪の原因となる両端の爪を生えてこないようにする薬剤を塗布していくフェノール法というのもあります。